支持者と当選を喜び合う尾辻朋実さん(右)=20日午後8時56分、鹿児島市加治屋町
参院選鹿児島選挙区の投票率は56.46%で、過去2番目に低かった前回2022年の48.63%より7.83ポイント増えた。生活に直結する物価高対策が最大の争点となったことに加え、派閥裏金事件など自民党政権への不信感を背景に新興の参政党が勢いに乗り、無党派層の関心を高めたとみられる。
与党元職と野党系無所属新人が激しく争い対立の構図が明確だった。各候補者は現金給付や消費税減税など異なる公約を訴え、争点は単純化された。衆院で少数与党となっており、事実上の政権選択選挙と位置付けられたのも有権者を投票に向かわせたようだ。
知事選と同日選だった16年以来、9年ぶりに50%を超えた。地域別では都市部で持ち直し、県内19市は24町村の上昇率を上回る8.11ポイント増の55.52%だった。大票田の鹿児島市は53.61%で、前回より7.82ポイント増えた。
市町村別のトップは三島村の82.29%、最低は鹿屋市の52.58%。県全体の男女別では男57.45%、女55.59%だった。
期日前投票は35万2052人が利用し、選挙人名簿登録者に対する投票率は26.94%だった。前回22年を7.61ポイント上回り、参院選で初めて20%を超えた。投票日が夏休みシーズンの3連休中日で積極的に利用されたと考えられる。