被告人役に質問をする参加者=鹿児島市の鹿児島地裁
裁判を身近に感じてもらおうと、鹿児島市の鹿児島地裁でジュニア模擬裁判があった。県内の小学6年~中学3年生26人が参加。裁判官、検察官、弁護士になりきり、結婚式場から女性を連れ去った男性に「結婚目的略取」が成立するかどうかを審理した。
地裁、鹿児島地検、県弁護士会が8月25日に開いた。児童生徒は現役の法曹三者から助言を受け臨んだ。
検察側は「新婦は結婚式をしたかった。新婦から直接連れ出してほしいとは言ってない」として拘禁刑7年を求刑。弁護側は「SNSの投稿から新婦は結婚生活に息苦しさを感じていた」と主張した。裁判官役は「新婦は男性とおそろいのキーホルダーを付けていたから好意があった。連れ去る時も抵抗していなかった」として無罪を言い渡した。
裁判官役を務めた鹿児島市の西伊敷小学校6年、徳田葉月さんは「公平な判断が難しかった。学校でけんかがあっても両方の意見を聞きたい」。同市の坂元中学校1年の石塚恒力(こうち)さん、山下凜太さんは「時間をかけて話し合い、判決が決まることがよく分かった」と語った。