仮面神「ボゼ」は復興の起爆剤――群発地震続いた悪石島で祭り 島民や観光客を追い回し邪気払う 「元気な島を見せられた」

2025/09/07 22:00
縦横無尽に駆け回る仮面神「ボゼ」=7日午後5時すぎ、鹿児島県十島村悪石島
縦横無尽に駆け回る仮面神「ボゼ」=7日午後5時すぎ、鹿児島県十島村悪石島
 群発地震が続く鹿児島県十島村悪石島で7日夕方、旧暦の盆行事を締めくくる伝統の「ボゼ祭り」があった。太鼓の音に導かれ、盆踊り広場に現れた仮面神ボゼは、逃げ回る島民や観光客を棒で追い回し邪気を払った。

 6月21日以後、2300回を超える地震が発生。多数が島外避難するなど島民は不安な日々を送ってきた。ボゼは2018年、世界無形文化遺産に登録された島の誇り。地震もだいぶ落ち着き「復興の起爆剤に」と島をあげ準備してきた。

 7日午後5時すぎ、縦じま模様の仮面をかぶり、ビロウの葉をまとったボゼ3体が出現。島民らに赤土をつけながら動き回った。子どもの歓声や悲鳴が響き渡り島に活気がみなぎった。

 自治会長の坂元勇さん(60)は「地震で眠れない日々を過ごしたが元気な悪石島を見せられうれしい。やっとここまで来れた」と喜んだ。

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