礼拝やラマダンが理解されない…級友は、無知や偏見で追い込まれた――「外国人差別のない社会を」。高2の弁論、文部科学大臣賞に輝く

2025/09/08 15:58
高校生英語弁論大会で文部科学大臣賞に輝いた前田美羽さん=鹿児島市の鹿児島中央高校
高校生英語弁論大会で文部科学大臣賞に輝いた前田美羽さん=鹿児島市の鹿児島中央高校
 鹿児島市の前田美羽さん(鹿児島中央高校2年)が、高校生英語弁論大会で全国2位にあたる文部科学大臣賞に輝いた。国際交流の経験を基に、外国人差別のない社会の実現を訴えたことが評価された。

 大会は全国国際教育研究協議会が主催し、8月上旬に栃木県であった。都道府県予選を勝ち抜き、九州などのブロック予選で入賞した生徒9人が出場した。国際問題などを題材に、4分30秒~5分以内で論じた。

 前田さんは、異文化理解をテーマに発表。小中学生の頃、サウジアラビア人の級友が、礼拝やラマダン(断食月)などイスラム教の文化を周囲に理解されず、苦労する姿に胸を痛めた。弁論で、「無知や偏見が外国人を不快な状況に追い込む」と指摘した。

 小学5年でオーストラリアに短期留学した際、ホストファミリーが温かく迎え入れてくれた体験にも触れ、「愛情ある行動は価値観を変えられる」と強調。外国人の困難に気づいた人が、率先して声を上げることが大切だと主張した。

 担任の英語科教諭に誘われ、出場を決意。外国語指導助手(ALT)に手ほどきを受けながら、発音を磨いた。「論ずるだけでなく、身近な人から多様性の輪を広げていきたい」と話した。

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