騒音は本当に「地下鉄の車内程度」なのか…馬毛島基地での米軍戦闘機の訓練見据え、2026年度に騒音測定器を設置へ 西之表市

2025/09/10 06:24
〈資料写真〉「タッチ・アンド・ゴー」を繰り返すFA18戦闘攻撃機=硫黄島(東京)
〈資料写真〉「タッチ・アンド・ゴー」を繰り返すFA18戦闘攻撃機=硫黄島(東京)
 鹿児島県西之表市馬毛島の米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)を伴う自衛隊基地整備に絡み、同市は9日の市議会一般質問で、2026年度に、馬毛島を望む市西部に騒音測定器を設置する方針を明らかにした。当初は24年度に設置予定だったが、基地整備の工期が約3年延長されたことを受け見送っていた。

 市によると、測定器は基地運用開始前後の騒音被害や影響を把握するために設置する。24年度計画を踏まえて場所や台数などを検討しており、26年度当初予算に盛り込む方針だ。

 24年度は、市西部の公共施設5カ所に測定器設置を計画。米軍再編交付金の活用事業で、同年度当初予算に費用6006万円を計上していた。防衛省は24年9月、基地施設全体の完成時期を当初計画より約3年延期し30年3月末になると発表。それを受け、市は24年11月に測定器設置の先送り方針を公表した。

 防衛省は22年3月、市との協議で、日米戦闘機の離着陸時の騒音レベルを距離ごとに推定した「音響データ」を提示。馬毛島から市南西部に当たる10キロ地点で離陸時は約80デシベル、着陸時は約60デシベルと説明した。騒音の目安として、80デシベルは地下鉄の車内、60デシベルは走行中の車内程度などとされる。

 21年5月の航空自衛隊戦闘機によるFCLP経路デモ飛行の際は、最大値として中種子町浜津脇地区で77デシベル、同市の種子島合同庁舎で71デシベルが測定された。種子島上空を飛行する場合の騒音予測値は示されていない。

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