急な生理にも慌てない――トイレでナプキンを無料でもらえるサービス「トレルナ」 鹿児島県内でも導入広がる

2025/09/10 11:30
ダウンロードしたアプリから、画面下のQRコードを読み込む=7月、鹿児島市の米盛病院
ダウンロードしたアプリから、画面下のQRコードを読み込む=7月、鹿児島市の米盛病院
 外出先で突然の生理に困った女性は少なくないだろう。医療ITベンチャー「ネクイノ」(大阪市)は、トイレの個室で生理用ナプキンを無料提供するサービスを全国で拡大している。鹿児島県内でも商業施設などで導入され、「利用者の安心につながる」との声が上がる。

 同社が開発し、2024年5月に運用を始めた「トレルナ」。専用アプリをダウンロードし、個室内にあるタブレット画面のQRコードを読み取ると、機器からナプキンが1個出てくる。必要な人に渡るように、1人が受け取れるのは2時間に1枚、1カ月7枚と制限がある。

 鹿児島市の米盛病院は7月下旬、県内の病院で初めてサービスを導入した。連携広報室によると、スポーツ整形やリハビリ施設で若い世代の利用が目立ち、女性看護師も多いことから導入に至った。病院と併設するクリニックで計29台設置。ナプキンはまとめて納品され、災害時の備蓄にもなる。担当者は「病院という場所自体、不安になりがち。急な生理にも慌てず、気持ちを少しでも和らげられれば」と話す。

 ネクイノによると、県内では米盛病院のほか、イエスランド全6店、鹿児島市のマルヤガーデンズ、センテラス天文館、コメダ珈琲天文館店の計10カ所に設置する。

 5月に導入したセンテラス天文館は、近くに電停やバス停があり、学生の利用が多いという。運営する千日1.4開発の栫清乃さん(47)は「お客さまと従業員、双方の満足度が上がるきっかけになっている。インバウンド客も多く、多言語表示にすればさらに利用が広がりそう」。

 ネクイノはタブレット画面に流れる広告収入からナプキン代金で賄う。8月下旬で全国の設置数は2000台を超え、年内に6000台の設置を目指す。広報担当の豊倉麻緒さん(40)は「業種を問わず、誰もが安心して利用できるインフラとして広げていきたい」と語った。

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