自衛隊宿舎の建設予定地から大量のごみ、工事が中断――再開望む西之表市がボーリングと汚染調査 環境基準をクリア

2025/09/13 06:00
〈資料写真〉自衛隊宿舎の建設地と周囲で行われるボーリング調査=8月18日、西之表市西之表
〈資料写真〉自衛隊宿舎の建設地と周囲で行われるボーリング調査=8月18日、西之表市西之表
 鹿児島県西之表市馬毛島の自衛隊基地整備に絡み、同市下西校区での自衛隊宿舎建設が大量のごみの出土により中断している問題で、同市は12日、現地でのボーリング調査の結果を明らかにした。埋め立て前に谷だったとみられる地点を中心に地中のごみが確認された一方、建設地中央付近などではごみが出ない場所もあった。土壌や水質の汚染調査も行われ、いずれも環境基準をクリアした。

 建設予定地は面積7029平方メートル。一帯は1960年代に「塵芥(じんかい)処理場」だったとされる場所。谷間にごみが捨てられ、後に埋め立てられた。建設地を挟むように谷筋があったとみられることから、市は隣接地を含めて調査地点を10カ所設け、元々の地形と埋設物を調べた。約1100万円かけ6~8月に実施した。

 市によると、谷の近辺だったとみられる7地点では、最も浅い所で地下0.7メートル、深い所は同約13メートルに、プラスチックやゴム類、瓦などがあった。ごみを含む埋設層の厚さは最大11メートル、最小2メートル程度。谷ではなかったとみられる3地点では、最大11メートル掘削したがごみは確認されなかった。

 このほか市は、建設地そばの1カ所で、埋設層の直下の土壌(地下約8メートル付近)を採取。ダイオキシン類ほか28項目で汚染がないことを確認した。付近の浸出水の水質も調べ、ダイオキシン類と43項目で環境基準をクリアしていた。

 市は防衛省に対し、現在の建設予定地での工事続行を希望しており、調査結果を踏まえて今後の交渉に当たる。

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