鹿児島県警の警務部長に就任した安達裕也さん
■かお・鹿児島県警の警務部長に就任した安達裕也さん
鹿児島県警の「不祥事再発防止対策」の旗振り役である警務部長として、7月中旬に警察庁から赴任した。「身の引き締まる思い」と力強く語ると「対策は道半ばだと考えている。課題をしっかり把握して実行し、絶えず改善しながら推し進めたい」と意気込んだ。
警察庁を選んだ理由は「国民を守れる職業に就きたい」という真っすぐな思いがある。原点は中学時代、オウム真理教による地下鉄サリン事件の報道に接したこと。治安維持に関心を持つようになり、安全な社会づくりに法律面から携わりたいと東北大学法学部で学んだ。
入庁は2005年。志望通り警備部門や公安部門でキャリアを重ねた。思い出深い仕事の一つが、テロリストの財産を凍結し国内取引を規制する新法づくりを担ったことだ。14年に成立した。テロ対策は各国が歩調を合わせるべき重要な課題だけに「日本はもとより世界の安全にも貢献する仕事ができた」と達成感をにじませる。
県警では、業務効率化による働き方改革に意欲を見せる。採用や育休、性別問わず活躍できる職場づくりと、やるべきことは尽きない。「これまで当たり前と考えてきたことを一度疑ってみる。そんな意識を刺激できるよう職員に働きかけたい」
神奈川県出身。高校生活は北九州市で送った。妻、1歳の娘と過ごす休日を何よりも楽しみにする。「歴史的な土地柄も魅力。あちこち散策したい」と期待が膨らむ、44歳。