各地区ごとに特色のある演舞を披露する応援団=奄美市の大島高校
鹿児島県奄美市の大島高校の体育祭は、学年ではなく、出身中学校などの地区ごとに分かれて競う。応援団やムカデ競走の選手は本番へ向けて、放課後などに地元の卒業生や上級生から指導を受けるのが伝統だ。全国でも珍しく、生徒らは「地域のために負けられないという気持ちになる」と闘志を燃やす。奄美群島では与論高校も地区対抗戦となっている。
7日の大島高校体育祭では、生徒は居住地などで六つの地区に分かれて対戦。各地区の生徒数は73~133人とばらつきがある中、100メートル走や綱引き、応援団の演舞などの計9競技で得点を争った。
ムカデ競走に3年連続で出場し、初優勝した金久地区の山田みやびさん(3年)は「最後に勝ててうれしい」と笑顔。地区対抗戦の魅力を「同じ中学校を卒業した生徒との絆が深まる。地域のためと考えて、より頑張れる」と話す。
応援団は、先輩などからそれぞれの地区伝統の演舞も引き継ぐ。7月から練習し、最優秀賞に輝いた伊津部地区応援団長の平翔之佑さん(同)は「団員たちの頑張りのおかげで、伊津部らしさを出せた」と満足そう。田島徹也教頭(53)は「地域の人も応援に駆け付ける一大行事。奄美は地域の団結力が強いからこそ、伝統として続いているのだろう」と推測する。
与論高校は、与論島に3校ある小学校校区ごとに分かれて対戦。生徒たちは各校区で集まって練習したり、保護者は各校区のイメージカラーを身に着けて応援したりするという。