基準地価が2年連続上昇した天文館地区=16日、鹿児島市東千石町
鹿児島県は16日、7月1日時点の基準地価を発表した。鹿児島市の商業地は変動率の平均が前年比プラス1.6%と、4年連続で上がった。飲食店が集まる天文館地区はプラス3.3%と2年連続で上昇し、新型コロナウイルス禍からの回復が鮮明になった。馬毛島での自衛隊基地整備に伴う作業員数がピークの6000人規模に達した影響もあり、西之表市の商業地はプラス4.6%で3年連続の上昇となった。
県全体では、住宅地などを含む「全用途」で34年連続のマイナス。下落幅は0.1ポイント縮小し0.9%だった。
天文館の商業地は2020年から下落が続いたが、昨年上昇に転じた。ホテルやマンション建設が進み、上げ幅は2.5ポイント拡大した。
県内で最も高かったのは8年連続で「鹿児島市東千石町14の3」(住居表示は14の4)で、1平方メートル当たり104万円(前年比1万円増)だった。
西之表市鴨女町の1平方メートル当たりの価格は4万1300円(前年比1800円増)。上昇率は2.2ポイント縮小した。
商業地の県平均は8万2000円(前年比400円増)。変動率の平均はマイナス0.7%で34年連続のマイナスだったが、下げ幅は0.3ポイント縮小した。前年と比べて上昇地点は31から33に増え、下落地点は63から59に減少した。12地点が横ばいだった。
鹿児島市の住宅地は、プラス0.3%で3年連続で上がった。最高地点は13年連続で同市の「上荒田町17の5」の26万円(前年比7000円増)だった。
住宅地の県平均は2万8000円(前年比200円増)で変動率の平均はマイナス1.1%。下げ幅は変わらず、28年連続で下落した。
調査した424地点は、住宅地295、商業地107、工業地5、宅地見込み地3、林地14。地価が上昇している西之表市で住宅地と商業地の各2地点が追加された。林地を除く全用途の平均価格は4万2100円だった。