いちき串木野市の〝渡れない〟橋決着か――買収交渉が難航の土地を収用、地権者に明け渡し命じる

2025/09/20 07:00
収用の裁決があった右岸の土地(手前)と新設された橋=18日、いちき串木野市平江
収用の裁決があった右岸の土地(手前)と新設された橋=18日、いちき串木野市平江
 鹿児島県いちき串木野市の五反田川に新設した橋が5年近く開通していない問題で、県収用委員会が市の申請を受け、買収交渉が難航しているたもとの民有地の収用を認める裁決をしたことが19日分かった。地権者に明け渡しを命じる裁決もした。

 県収用委事務局や市によると、裁決の対象は橋とつながる右岸の土地約216平方メートル。8月28日付で、地権者に11月25日を期限に石や木を移転させる明け渡しを命じた。

 橋は同市の平江地区と市街地を結ぶ災害避難道として計画され、2016年に着工。20年10月に完成したが、たもとの土地の買収交渉がまとまらず市道につなげることができていない。

 市は今後、裁決に従って収用などに伴う補償金を地権者に支払う。都市建設課の吉見和幸課長は残る工事について「できるだけ早い段階で始めたい」と話した。

 鹿児島市に住む地権者の男性は、これまで「市の説明に納得できない部分がある」と説明してきた。裁決で示された補償に不服がある場合、裁判所に訴えを提起できる。今後について「弁護士に相談して決めたい」と話した。

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