気象台の観測記録がない?古文書があるじゃないか…スーパーサイエンス高校生が江戸時代の天気を本気で調べたら、国際コンで特別賞

2025/09/20 17:00
国内外の研究コンテストで入賞したスーパーサイエンス部の生徒たち=鹿児島市の池田学園池田高校
国内外の研究コンテストで入賞したスーパーサイエンス部の生徒たち=鹿児島市の池田学園池田高校
 池田学園池田高校(鹿児島市)のスーパーサイエンス部が、国内外の科学コンテストで活躍している。古文書から江戸時代の気象を解き明かした科学思考班は、国際コンテストで5位入賞。ゲンジボタルが明滅する周期を調べた生物応答班は、全国大会で2位に輝いた。

 科学思考班の2年仲埜実由菜さんら5人は、都内に残る二つの古文書の天気記述から、気象台の観測開始前の1668年から、記録が残る1912年までの気温や天気を調べた。

 統計学を用いて分析した結果、多雨などが原因で起こる飢饉(ききん)と降水出現率が上昇した時期が重なったことから、史実通りであると主張。さらに、太陽活動の低下で寒冷だったとされる17世紀後半~18世紀初期の希少なデータが得られたと結論付けた。

 3月に茨城県つくば市であった「つくばサイエンスエッジ」で全国2位に。7月にシンガポールであった国際コンテストにも日本代表として出場し、特別賞に輝いた。仲埜さんは「約12万日分の気象の分析や英語での発表に苦労したが、成果が出てよかった」と喜ぶ。

 生物応答班の2年田口世南さんら2人は、ゲンジボタルが光る動画を全国から集め、自作の画像解析プログラムで分析。1匹の明滅周期が一定であること、生息地や気温によって周期の長さが異なることを発見した。

 8月に神戸市であった、全国のスーパーサイエンスハイスクール238校が参加する研究発表会で、科学技術振興機構理事長賞を勝ち取った。田口さんは「データ数を増やし、地域性や生態をさらに探究したい」と話した。

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