鹿児島県庁
鹿児島県は、業務効率化に向けた県職員の生成AI(人工知能)の活用状況を明らかにした。8月に知事部局や県教育委員会の約6800人を対象に庁内アンケートを実施したところ、回答があった2175人のうち、約5割の1011人が今年4月以降、業務での利用実績があった。
具体的には、社会情勢や先行事例を踏まえた施策のアイデア出し、アンケート結果の集計・分析、広報用資料の改善、会議録・議事録の要約などの業務だった。本年度は県DX推進アドバイザーによる専門的な研修も予定しているとした。
県は対話型AIの「チャットGPT」など、生成AIの試験運用を始めた2023年9月、個人情報や機密情報の入力を禁じるガイドラインを策定。業務改善効果がみられ、24年4月以降は本運用しガイドラインも改訂した。業務効率化の補助的手法として特性を理解し適切に利用するよう促す。
国はAI技術活用推進に関する基本方針などを盛り込んだ基本計画を年内に策定する。長島和広総合政策部長は「国の動向を注視しつつ利活用の方向性を検討する」と述べた。
一方、AIを使い大量・多様な住民の声を収集分析し、政策立案に反映させる「ブロードリスニング」の手法導入について、虫明徹総務部長は「意見の全体像や傾向を迅速に可視化することができるとされている」とした上で、「システム運用には高度な技術や知識が必要。近年行政での活用が始まった手法で、先行する他自治体の活用方法や課題、効果を確認していく」とするにとどめた。
16日の県議会一般質問で無所属の橋口住眞議員(出水市区)に答えた。橋口氏は「議会答弁書の作成にAIを活用しているか」と再質問。虫明氏は「どういう調べ方をするかまでは把握していない。各部署で適切に事実関係を調査し、答弁書に記載していると考えている」とした。