存続か廃止か…公営キャンプ場――年間収入100万円に対し、管理委託料は350万円。老朽する施設、町は閉鎖を決めているが…さつま紫尾

2025/09/25 06:53
本年度末で廃止予定の「紫尾神の湯ふれあい施設」=さつま町紫尾
本年度末で廃止予定の「紫尾神の湯ふれあい施設」=さつま町紫尾
 キャンプ場や体育館を備える鹿児島県さつま町紫尾の「紫尾神の湯ふれあい施設」について、町は本年度末での廃止を予定している。施設の老朽化や経費削減が主な理由。地元の住民からは地域活性化のため、引き続き利活用を求める声が上がる。

 同施設は旧鶴田町が、1990年度の農村広場(グラウンド)を皮切りに順次開設。現在は体育館や集会所に加え、キャンプ場としてバンガロー6棟、フリーテントサイト、炊事場などがある。

 さつま町に合併以降は、地元の自治会「紫尾区公民館」が町から委託を受けて管理している。2024年度の宿泊施設利用者はここ数年横ばいの845人。施設全体では1788人で減少傾向が続く。

 年間収入が約100万円に対して、町が支払う指定管理料は約350万円(25年度)。施設の老朽化に伴い、今後は修繕費がかさむことも予想される。町内に類似施設もあり、町は厳しい財政を見直す中で20年度策定の町個別施設計画で「廃止」を決めた。25年度で指定管理を終了する方針。

 現在は施設について、町と紫尾区公民館とで協議が続く。地元側は、紫尾温泉と共に交流人口増に貢献するとして利活用を要望。町側から施設の譲渡や貸し付けの提案もあったが、受け入れは難しいという。徳留純一館長(72)は「地元にとって重要な施設。一部利用も含め、前向きな話し合いを続けたい」と話す。

 町農林課によると、廃止後も建物は当面残す予定で、「地元などと協議しながら活用策を検討したい」としている。

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