就労支援サービス、実施せずに3000回も不正請求――「悪質性高い」鹿児島市、加算額含め3500万円を返還命令 障害福祉の指定取り消し

2025/09/27 05:55
鹿児島市から行政処分を受けた「就労支援センター・七福神」=26日、同市鷹師2丁目
鹿児島市から行政処分を受けた「就労支援センター・七福神」=26日、同市鷹師2丁目
 鹿児島市は26日、訓練等給付費を不正請求したとして、同市紫原5丁目の社会福祉法人天祐会(長田祐里華理事長)が運営する就労継続支援B型事業所「就労支援センター・七福神」(同市鷹師2丁目)の障害福祉サービス事業所の指定を取り消す行政処分をした。不正に請求し受け取った2517万6250円と加算額の計3524万631円の返還も命令した。指定取り消しは30日付。

 市障害福祉課によると、不正請求は今年6月の市の特別監査で発覚。2020年4月〜25年3月の5年間で利用者8人について、就労支援サービスを受けていないのに給付費や食事提供、送迎などさまざまな加算を不正に請求していた。請求回数は約3000回に上る。

 市は悪質性が高いと判断。最も重い指定取り消し処分とし、返還額に40%を加算した。指定取り消しにより、同法人と役員は今後5年間、障害福祉サービス事業の指定を受けられない。

 市によると、同センターは38人が利用。同法人は利用者本人の意向を確認し、責任を持って引き継ぎ先を探すとしている。長田理事長は「利用者や家族の方に多大なご迷惑をお掛けし、心よりおわび申し上げる。今回の件を教訓として再発防止に取り組む」とコメントした。

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