調教中に御所車を引く「ふみ」=出水市麓町
黒毛和牛が引く鹿児島県出水市の観光牛車で、2歳の雌「ふみ」がデビューを目指して調教中だ。4月から奮闘する7代目の「いずみ」(雌2歳)は10月下旬ごろの出産を控えており、スタッフは「10年近く活躍した6代目のちはるちゃん、いずみちゃん同様に、愛されてほしい」と期待する。
牛車は観光振興を目的に、2004年の九州新幹線と肥薩おれんじ鉄道の開業に合わせて始まった。土日を中心に運行。地元の観光の一躍を担っており、最大13人乗りの御所車を引いて、出水麓武家屋敷群のコース1キロを巡る。
「いずみ」は1年前に出産。現在もおなかに赤ちゃんを抱えながら、頑張っている。6月に第1子を産んだ「ふみ」は、運営するNPO法人いずみ観光牛車会のスタッフが8月から調教する。9月21日はタイヤを引いて訓練した。スタッフを乗せて御所車も引き、実際のコースを2周した。
休憩中は「いずみ」と仲良く過ごす姿も見られた。同法人の川辺壮市さん(75)は「ふみちゃんは甘えん坊。徐々に成長している。9月中にうまく調教できれば幸い」と話す。
運行は土日祝日の午前11時~午後2時半。乗車料は3歳~小学生700円、中高生千円、大人2000円。平日は、市観光特産品協会=0996(79)3030=に要問い合わせ。