郷土の発展に貢献――第76回南日本文化賞決まる 経済産業1団体、学術教育2団体 贈賞式は11月1日

2025/09/30 06:00
 芸術や産業経済など郷土の発展に貢献した個人・団体を顕彰する第76回南日本文化賞(南日本新聞社主催)は29日、経済産業部門の鹿児島県茶生産協会(田原良二会長、鹿児島市)、学術教育部門の女子ハンドボールチーム「ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング ブルーサクヤ鹿児島」(松岡直臣部長、霧島市)、同部門の弥五郎どん保存会(中迫勇会長、曽於市)の3団体に決まった。贈賞式は11月1日、鹿児島市の城山ホテル鹿児島である。

 茶の生産農家や製茶工場を持つ経営者らでつくる県茶生産協会は1972年発足。後発産地の鹿児島の栽培技術向上を目指し、県や地区、市町村単位で技術指導や研修を行ってきた。協会が始めた生産履歴管理などは「安心安全」を支え、欧米への輸出対応にも貢献。これらの取り組みは鹿児島県の2024年産荒茶生産量と、25年産一番茶の荒茶生産量の全国1位に結実した。

 「ブルーサクヤ鹿児島」は1984年にソニー国分として創部。40周年の節目となる2024〜25シーズン、リーグH女子で初代女王に輝いた。チームやOGが後進育成や地域貢献に力を入れ、霧島市にはジュニアチームが設立。小学生の男女約50人が所属する。地元の国分中央高校女子、国分高校男子は九州屈指の強豪となった。ハンドボールは霧島地域を代表する競技として根付く。

 「弥五郎どん」は曽於市大隅町岩川の岩川八幡神社の秋季例祭で毎年11月3日、大人形が練り歩く数百年続く催事。保存会は岩川だけでなく市全体の行事として伝承しようとそれまでの会を改編し2010年設立された。4年に一度の弥五郎どんの衣替えや組み立てなどを担う製作部を立ち上げて技術の継承を行うなど保存・継承に努める。25年3月、国の重要無形民俗文化財に指定された。

 選考は津曲貞利氏(津曲学園理事長)を委員長に、久保千春氏(中村学園大学長)、楠元香代子(鹿児島市立美術館長)、笹川理子(みちこ)氏(九州弁護士会連合会元理事長)、佐潟隆一・南日本新聞社社長が当たった。

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