店側も苦悩「飲食物の値上げがない月はない」…対象3000品目超は4月以来――10月から500mlペットボトルは20~30円アップ 値上げは常態化か

2025/09/30 06:18
店頭に並ぶペットボトル。10月から値上げとなる見込みだ=27日、鹿児島市のAコープキラメキテラス店
店頭に並ぶペットボトル。10月から値上げとなる見込みだ=27日、鹿児島市のAコープキラメキテラス店
 物価高が続く中、10月からはさらに飲食料品の値上げが見込まれる。帝国データバンクによると、4月以来となる3000品目超えとなり、値上げは今後、常態化する見通しだ。鹿児島県内の小売店はなるべく価格を抑えようと苦慮し、消費者は節約志向を強めている。

 鹿児島市高麗町のAコープキラメキテラス店では、10月6日から732品目が値上げとなる。最多はペットボトル入りの清涼飲料水やお茶で247品目。焼酎や缶チューハイなど酒類195品目が続く。500ミリリットル入りペットボトルは希望小売価格が20~30円ほど上がる見込みで、同市川上町の専門学校生(19)は「自販機でもよく買うので困る」とこぼす。

 値上げする品目の多さについて、帝国データバンク東京支社情報統括部の飯島大介氏は「原材料費の高騰に加え、物流費や人件費の上昇が重なった」と説明する。今回は飲料の値上げが目立ち、メーカー側は輸送費やパッケージ費増を理由にしているという。

 23年~24年前半の値上げは、小麦や原油価格の国際的な急騰、円安による輸入物価の上昇など外的要因が主だったと分析。一方25年は、物流費や賃上げなど内的要因が作用しているとみている。最低賃金(時給)の改定額が全都道府県で1000円を超えた上、運転手不足による運賃引き上げなどは続いており、「値上げは常態化する可能性が高い」。

 毎月のように値上がりする状況に、店側は苦悩している。Aコープキラメキテラス店は週末に限り、店頭にテントを設け、野菜や果物などの生鮮食品を数量限定で特売している。堀之内和喜店長は「1円でも安い価格設定と店独自の努力を続けたい」と話す。

 鹿屋市旭原町のミネサキ旭原店では250~300品目で仕入れ値が上がり、飲料や菓子は約1割の上げ幅になる見通しだ。油やドレッシングなどの調味料も上がる想定で、中島徳一店長は「総菜などにも影響が出てくるかもしれない。値段を据え置けないか、できる限り考えていく」。

 消費者の節約への意識は高まっている。同市笠之原町のアルバイト女性(46)は「チラシを見るなどして、これからさらに安い商品を探さないと。お菓子などを減らして、必要な食材だけ確保することになるかも」と話した。

 「野菜は家庭菜園でまかなっている」という鹿児島市郡山町の主婦(78)は今夏、ゴーヤーやオクラ、ピーマン、ナスなど多品種にわたって栽培した。「夫婦2人が食べる分は確保したい」と今後の物価高も見据えている。

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