DNA型鑑定に誤り発覚、二審で逆転無罪――過去の事件挙げ「本当に佐賀県警だけなのか」 鹿児島県警へも調査求める 県弁護士会が声明

2025/09/29 21:07
適正なDNA型鑑定を求める弁護士ら=29日、鹿児島市の弁護士会館
適正なDNA型鑑定を求める弁護士ら=29日、鹿児島市の弁護士会館
 佐賀県警科学捜査研究所(科捜研)元職員によるDNA型鑑定不正を受け、鹿児島県弁護士会(白鳥努会長)は29日、第三者委員会の設置などを求める会長声明を出した。佐賀県警のほか鹿児島県警、県議会議員に同日送付。鹿児島市の県弁護士会館で会見し「捜査機関への信頼は失墜している」と訴えた。

 虚偽の鑑定報告など、不正は2017〜24年に130件あったが、佐賀県警は第三者委員会の設置を否定している。声明文では同県警の対応を非難し、鹿児島県警など全国の捜査機関での調査、DNA型鑑定機関の独立を求めた。

 鹿児島県では12年、女性暴行罪に問われ、一審で実刑判決を受けた男性が、DNA型鑑定の誤りが発覚し、16年の二審で逆転無罪となった。主任弁護人だった同会の伊藤俊介副会長は「この事件の後に佐賀でずさんな鑑定が続けられていたことは残念」と述べた。

 弁護士会は死刑制度廃止を求める決議を8月30日の臨時総会で可決したことも報告。同会は「えん罪、誤判による死刑執行があれば取り返しがつかない」と強調した。

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