国内最大規模か、鹿児島にデータセンター計画――台湾・日本企業の共同法人 きょう30日、地元・薩摩川内市や知事へ説明

2025/09/30 05:53
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 鹿児島県薩摩川内市内で国内最大規模を見込むデータセンターを整備する計画があることが29日、関係者への取材で分かった。人工知能(AI)の普及で増大する需要を取り込む狙いで、台湾の金融系企業と日本企業が共同で法人を設立。今後、準備や必要な調査を進めるとみられる。30日に同市の田中良二市長と鹿児島県の塩田康一知事を企業関係者が訪れ、詳細を説明する。

 法人は川内港に隣接する九州電力火力発電所跡地にある資源循環拠点「サーキュラーパーク九州」敷地内に設立される見通しで、関係事業者が最終調整している。九州では、米国の企業グループが福岡県糸島市に、九州最大級となる総受電容量約300メガワットのデータセンターを開発中だが、それを上回る規模を想定する。

 国内のデータセンターは約9割が関東と関西に集中する。大規模自然災害への備えとして、国は地方への分散立地を促している。

 薩摩川内市は2022年、火力発電所跡地の活用を促し、循環経済・産業拠点を創出する方針を示した。同年、台湾政府の諮問機関で委員を務める学識者や、大手投資会社の経営者らが跡地を視察した。23年11月には、同市などが中心となり、九州と台湾の経済交流促進などを目的としたフォーラム「九州・台湾クリエイティブウイーク」を開催。台湾と日米の産官学や金融の有識者が幅広い分野で意見交換した。地道な取り組みが今回の計画につながったとみられる。

 国内ではソフトバンクが今年4月、北海道苫小牧市で国内最大級を目指したAI向けデータセンターを着工。気候が涼しく空調電力を減らせる道内では立地計画が相次ぎ、京セラ傘下の京セラコミュニケーションシステムも24年10月、再生可能エネルギーだけで稼働するデータセンターを北海道石狩市に開所した。

 ◇データセンターとは インターネットのサーバーや通信機器などを集約し、運用するための施設。地震や水害といった自然災害のリスクが少ない場所が立地に適しているとされる。近年は人工知能(AI)技術の進化でデータ処理量が増えたため、機器の冷却などに使う電力を安定的に確保できる環境も重視されている。

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