若さと発信力があるから…43市町村長の30人以上が自民党員の鹿児島県、首長たちに目立つ小泉進次郎氏推し

2025/10/01 11:33
(資料写真)小泉進次郎農相
(資料写真)小泉進次郎農相
 5人が名乗りを上げた自民党総裁選(4日投開票)の論戦に、党員資格のある鹿児島県内の首長も注目する。9月29日までの取材では、「地方の課題解決を」「政治不信を払拭して」と要望や注文が相次いだ。若さと発信力を期待するとし小泉進次郎農相への支持が目立つ。

 「地方への目配りを忘れない人を望む」。阿久根市の西平良将市長は投票先を決めておらず、各候補の公約を見比べて熟考を重ねていた。「減税」「給付金」といった言葉がクローズアップされることを警戒する。「実施するのなら地方に負担をかけない形でお願いしたい。地方の財源を削るのは勘弁してほしい」。過去の給付金事業で、煩雑な作業に忙殺される職員を見てきたとし「導入したマイナンバーカードを活用し、手続きの簡略化を進めるべきだ」と注文を付けた。

 南九州市の塗木弘幸市長は「自民が昨年の衆院選や夏の参院選で議席を減らしたのは、派閥の裏金問題などで国民の信頼を失ったのが原因」とし、「石破茂首相だけが責任を取り、わずか1年足らずで総裁選をすることに疑問がある」と指摘。物価高対策は待ったなしとし、「地方ほど苦しんでいる。いかに地方創生を実現するかを語れる候補を選びたい」と話した。

 長島町の川添健町長は小泉氏に投票した。小泉氏が党水産総合調査会長を務めていたことから何度も会う機会があり、「農水産業に対する造詣が深く、行動が早い。地域の状況に理解がある」と評価する。一方、各候補の政策に目新しさが足りないとし「地域の実情をよく分かっているのは市町村。新総裁には交付金の使い道など市町村の裁量拡大を求めたい」と訴える。

 昨年の総裁選で石破首相に投票した肝付町の永野和行町長は地方創生の議論が低調だと感じている。悩んだ末に今回、小泉氏にした。「石破氏の路線を継承してほしいとの思いと、若さへの期待から決めた」とする。ただ、陣営の「やらせ投稿」要請問題の波紋が広がることに懸念を示す。

 大隅地域の別の首長は「政治とカネの問題が収拾できていないまま総裁選が始まった印象。きちっとけじめをつけてほしい」と手厳しい。ある町長も「国民の政治不信払拭に力を注ぐべきだ」と強調。人口減少が急速に進み、地方は1次産業や医療介護など多くの場面で人手不足が深刻化しているとし、新総裁は「課題解決に本気で取り組んでほしい」と力を込めた。

 昨年時点で県内43市町村長の中で30人を超える首長が党員資格を有している。

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