新体育館の設計手続きは本格化へ――鹿児島県議会が撤回陳情108件を不採択 7日に事業者選定の公告を予定

2025/10/03 06:00
新総合体育館の約9億円に上る設計関連費用の撤回を求める陳情の採決に臨む議員ら=2日、県議会
新総合体育館の約9億円に上る設計関連費用の撤回を求める陳情の採決に臨む議員ら=2日、県議会
 鹿児島県議会は2日、最終本会議を開き、県が鹿児島港本港区(鹿児島市)ドルフィンポート跡地に計画する新総合体育館整備事業を巡り、6月定例会で可決した約9億円に上る設計関連費用の撤回を求める陳情108件を賛成多数で不採択とした。県は7日に設計事業者選定のための公告を予定しており、設計に向けた手続きが本格化することになる。

 県は設計業務について「詳細な建設費を出すために必要」とし、来年3月末までに事業者を決める方針。

 9月定例会では、新体育館に関する新規の114件を含む陳情計188件を文教観光委員会に付託。岩重礼委員長(自民党、鹿児島市・鹿児島郡区)は審査の結果、設計関連費用の撤回を求める陳情は不採択にすべきと決定したと報告した。

 これを受け、岩重仁子議員(無所属、同)が反対する立場で討論。「事業の場所は想定外の災害が起きたときに危険となり、ふさわしくない」「地方財源を大切に使ってほしい」などと陳情で出された意見を挙げ、採択を求めた。

 採決の結果、自民と県民連合、公明党、無所属議員1人の賛成多数で不採択となった。

 県側と県民の意見交換の場などを求める74件と、事業推進を求める2件の陳情は継続審査とした。建設地の再考など計画の見直しを要求する陳情4件は不採択となった。

 本会議では2025年度一般会計補正予算(102億8441万円追加、総額8679億1015万円)を含む議案16件を可決。専決処分1件を承認、県教育委員会の委員などの人事2件に同意した。私学助成の充実強化などに関する意見書2件も可決した。

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