監督した映画「郷」の全国公開が決まり「多くの人に見てほしい」と話す伊地知拓郎さん=3日、鹿児島県庁
鹿児島市出身で姶良市に住む映画監督、伊地知拓郎さん(27)の初の長編映画「郷(ごう)」が来年1月、全国上映されることが決まった。2022年完成の自主制作作品。昨年、中国重慶市の映画祭で最高賞を受けるなど海外での高い評価が配給につながった。伊地知さんは「これで多くの人に見てもらえる。今からがスタート」と喜びを語った。
「郷」はオール鹿児島ロケで、高校の野球部に入った主人公の挫折や再生、幼なじみとの交流を美しい自然とともに描く。桜島をはじめ、開聞岳、吹上浜など県内のさまざまな場所が登場する。自主映画として鹿児島市のホールや県内の学校で上映された。
伊地知さんは3日県庁を訪れ、塩田康一知事に公開を報告後、記者会見した。3年かけた編集作業中の心境について「誰にも見られずに終わるかもしれないと不安だった」と振り返り、「作品を見ていろんなことを感じてほしい」と話した。
来年1月2日、鹿児島市の鹿児島ミッテ10で先行上映。9日から新宿ピカデリー(東京)などで公開される。