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九州運輸局は8日、鹿児島県指宿市のタクシー事業者1社から運賃改定の申請があったと発表した。初乗り運賃の上限を現行の700円(1.3キロまで)から750円(同)へと引き上げる内容で、県本土と種子島・屋久島地区が対象。3カ月以内に地区内の車両数で5割以上の事業者から同様の申請があれば、改定手続きに入る。
指宿観光交通(指宿市)が2日に申請した。理由として、新型コロナウイルス禍で顕著化した運転手不足や最低賃金の大幅な引き上げに加え、「長引く燃料費の高止まりやキャッシュレスなどの設備投資が経営圧迫につながっている」としている。
同局によると、2日現在、県本土と種子・屋久では88事業者が2411台を所有する。申請では、加算運賃も現行の「160メートルごとに50円」(県本土)、「261メートルごとに80円」(種子・屋久)から「129メートルごとに50円」への変更を求めている。
県タクシー協会の調べでは、25年9月末の運転者数は2340人で、コロナ禍前の7割にとどまる。下小薗充会長(68)=下小薗タクシー社長=は、同業者の多くが申請すると見通した上で、「タクシー業界を取り巻く環境は厳しい。理解してほしい」と話した。
同局によると、県内はこれまで県本土が主となる鹿児島A地区と鹿児島B地区(種子・屋久、鹿児島郡)、奄美地区(奄美市、大島郡)で申請を分けていたが、24年12月から鹿児島のAとBを統合。手続きの目安とする地区内の申請車両数も7割から5割に引き下げた。