ナウル共和国のナショナルデーに出席した三共建設の中島竜作社長(右端)=大阪府の大阪・関西万博会場
鹿児島県錦江町田代の三共建設が大阪・関西万博に招かれ、南太平洋の島国ナウル共和国のナショナルデーに出席した。50年前、技術者5人がナウルの道路工事に携わったことが縁。当時の写真を贈り、元大統領らから歓迎を受けた。
ナウルは鹿児島の南東5000キロほどに位置し、周回道路が25キロほどの小さな国。鹿児島空港とナウルをつなぐ航空便があったことから1975年、県内企業の複数社が工事に参加。三共建設は路盤工事を担当した。
ナショナルデーは8月16日にあり、中島竜作社長(62)と長男で事務部長の海樹さん(28)が出席。ラス・ジョセフ・クン元大統領(50)に工事の様子などの写真をプレゼントした。中島社長は「1975年は元大統領が生まれた年で、子どもの頃から道路を使っていたということで、涙ながらに感激してくれた」と語った。
写真は、当時の様子が分かるものがないか、海樹さんが元社員で町内在住の近川信夫さん(81)と油木田辰志さん(73)に問い合わせ、油木田さんが提供。元社員の2人は「好奇心を持って現地に行った。今も道路が使われていることはうれしい」と喜んでいる。
父の照雄さん=故人=から会社を受け継いだ中島社長は「創業間もない50年前に、山奥の町から異国の地でチャレンジした精神は、子どもの頃からすごいと思っていた。地図に残る仕事ができる建設業の素晴らしさと、先輩たちの活躍を多くの人に知ってほしい」と話した。