三島村産のサツマイモを用い、村営蔵で製造される芋焼酎(同村役場提供)
鹿児島県三島村が製造する芋焼酎の生産量が、サツマイモ基腐(もとぐされ)病の影響で低迷している。2024年度は2564本(720ミリリットル換算)と例年の半分程度。18年度に生産を始めてから最低となった。25年度は2000本前後とさらに下回る見通し。担当者は「基腐病を食い止める施策をしてきたが、ここまで広がるのは想定外」としている。
村によると、製造本数は例年5000本ほど。原料となる芋が豊作だった21年度が1万727本と最多で、22年度5588本、23年度3528本だった。基腐病は村内で22年ごろからまん延。24年度の芋の収穫量は黒島と硫黄島を合わせ、22年度から3割ほど少ない3.2トンだった。25年度は1.8トンまで減る見込み。
村は24年12月、県と対策会を立ち上げ、土壌を分析。消毒や休作で改善に取り組む。25年度は従来より病気に耐性のある品種を試験的に導入した。定住促進課の平裕介課長は「新たな土地も活用する。こまめな管理体制を取り、生産量の向上に努めたい」と話した。
焼酎の仕込みは10月下旬からの予定。現在は約9000本の在庫があるという。
村営の焼酎蔵は、雇用創出などを目的として18年9月に完成。芋の産地ごとに銘柄を分け、黒島の「みしま村」、硫黄島の「メンドン」を主に販売する。