鹿児島市の公立中学3年の男子生徒=当時(15)=が2018年9月、学校で担任に個別指導を受けた後に自宅で自殺し、生徒の遺族が市に約6580万円の損害賠償を求めた訴訟の証人尋問が15日、鹿児島地裁(前原栄智裁判長)であった。元担任教諭が大きな声で指導したことを認め、「自覚を促したかった」と証言した。
男子生徒は自殺した当日、夏休み明けに宿題が未提出だったため、担任の個別指導を受け、涙を流した。大声で指導したことについて、担任は「真剣に向き合う姿を見せるのが毅然(きぜん)とした指導だと思っていた」と説明した。
前原裁判長は「生徒は怖くなって相談しづらくなり、追い詰められてしまったという認識はないか」と質問。担任は「そうであれば口に出してくれると思った」と述べた。
別の生徒に対する指導では、椅子を持ち上げたり蹴ったり、机をたたくなどの行為や体罰があったことも認めた。一般的に夏休み明けに自死が多いことを認識し、当日、校長から注意喚起があったことも確認した。