痛くないインフルエンザ“点鼻ワクチン”…でも高いのが難点。さつま町が助成額を倍増――免疫効果も長持ち、医師も「選択肢広がり歓迎」

2025/10/16 15:03
インフルエンザワクチンの点鼻接種を受ける子ども=さつま町広瀬
インフルエンザワクチンの点鼻接種を受ける子ども=さつま町広瀬
 インフルエンザ予防のため、鼻の中にワクチンを噴霧する「点鼻接種」について、鹿児島県さつま町は10月から助成額を倍増した。対象は2歳から高校3年生まで。皮下注射に比べ痛みが少ない一方、1回当たりの費用は倍近い。町は同等の手出しで利用できるよう補助して接種率向上を図る。

 町などによると、点鼻接種は国の承認を受けて昨年度から、2歳以上19歳未満を対象に始まった。接種は1回で済み、免疫効果が1年ほどと注射の4カ月程度より長く、感染予防も期待できる。副反応として鼻水や鼻づまり、喉の痛みが現れることもあり、弱毒化した生ワクチンを使うため、免疫力が低下している人は感染する可能性がある。

 1回当たりの費用は医療機関で異なるが、一般的に注射は約4000円で、点鼻は8000~9000円。町は昨年度、接種の種類問わず上限3000円の助成を実施した。本年度は点鼻を6000円に引き上げ、手出しを注射とほぼ同額として10月に開始した。来年1月31日まで。

 全体の接種率が41.9%だった昨年度、点鼻は1%弱。増額で向上が期待されるが、町内で対応する医療機関は一部に限られる。

 昨年度から導入した「ますざき医院」で、8日に初めて接種した佐志小学校5年の池之野蒼真さんは「鼻の中が少しむずっとしたぐらいで全然痛くなかった」と話した。

 益崎隆雄院長(63)は「利用希望者は増えており、効果の期間が長いので受験生らにお薦め。点鼻と注射それぞれにメリット、デメリットがあるものの、助成によって選択の幅が広がるのはいいこと」と歓迎した。

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