教諭や生徒と一緒に、相手を受け入れるコミュニケーションを実演するオシエルズの矢島ノブ雄さん(左端)と野村真之介さん(右端)=鹿児島市の谷山北中学校
人を傷つける笑いでなく、人とつながる笑いを-。「日本一学校を回るお笑いコンビ」を掲げるオシエルズが、鹿児島市の谷山北中学校で講演した。全校生徒約680人に、コントやゲームを交えながら、より良いコミュニケーション法を伝えた。
オシエルズは、枕崎市出身の野村真之介さん(37)と東京都出身の矢島ノブ雄さん(38)が2013年に結成。ともに元教員で、全国の千校以上を訪ねて出前授業やワークショップを開いている。
9日の講演で2人は、小中学生時代に体形をからかうあだ名を付けられて傷つき、自分を変えたくてお笑いを始めたと自己紹介。名前を題材にしたコントを披露すると、「登場した名前の人は、不快に感じたかもしれない。ネタにされた相手の気持ちを想像しよう」と訴えた。
「『ウザい』『キモい』という言葉でブロックせず、人とつながる勇気を持って」と、他者を肯定する大切さも強調。生徒たちは相手の提案を「いいねえ」と受け止めて、次の人につなぐゲームに挑戦。共感や受容から生まれる笑いを体感した。
3年の星野蓮さんは「人を傷つけるのは『逃げの笑い』という言葉に、自分もやってしまっていたかもしれないと思いハッとした。気をつけたい」と話した。
同校は生徒会を中心に、思いやりや笑顔を大切にする取り組みを進めている。