施設更新へ向け事業者募集手続きが進む河頭浄水場の甲系統浄水施設=鹿児島市犬迫町
老朽化に伴う鹿児島市水道局河頭浄水場(犬迫町)の施設更新計画が見直しを迫られている。事業者選定手続きに入っていた2グループが9月に応募を辞退し、基本計画に掲げた2031年度の供用開始は困難な情勢だ。同局は近く詳細な辞退理由を聞き取り、対応を検討する。
更新するのは二つある浄水施設のうち、1965年に通水を始めた甲系統で、購入した隣接地に現在と同じ日量6万9400立方メートルの浄水能力を持つ施設を計画。設計・建設工事費は約200億円(税込み)を上限とし、23年の基本計画策定時の約176億円を上回る見通しとなっていた。
応募していた両グループは提案書の提出締め切り直前の9月19日、辞退届を提出。主な理由として、資材費や人件費の高騰で限度額内に事業額を収めるのが難しく、用地が狭く想定の工期を超過することを挙げたという。
同局は辞退理由を分析し事業費や事業期間などを再検討するが、計画期間がずれ込むのは避けられそうにない。新施設が稼働するまで現施設を使い続けるため、修繕費の増加が見込まれる。同局は28~31年度中に上下水道料金の値上げを検討する方針を示している。