〈資料写真〉建物に衝突し、大破した乗用車=2024年11月11日午後6時40分、鹿児島市下荒田1丁目
2024年11月、鹿児島市下荒田1丁目の県道で、車が歩道に突っ込むなどして4人が死傷した事故で、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪に問われた同市下荒田4丁目、無職の被告女(85)は17日、鹿児島地裁(小泉満理子裁判長)の初公判で起訴内容を認めた。
検察は冒頭陳述で、「横断歩道上の歩行者の前で停止しようとしたが、ブレーキとアクセルを踏み間違えて暴走させた」と説明。16年12月から事故当日までの約8年間で人身・物損事故を少なくとも5件起こしていたと指摘した。
被告人質問で被告は「なぜ踏み間違えたのか分からない。アクセルを踏んでからパニックになり、前が見えなくなった」と述べた。被害者に対しては「申し訳なく、どうおわびしていいか分からない」と繰り返した。過去の事故については「2年前から、自分の運転はだめだなと思うことがあった」と明かした。
死亡した男性の姉は意見陳述で「なぜ早く免許を返納しなかったのか。最愛の弟を失い、家族は体も心もボロボロになった。弟の命を返して」と訴えた。
起訴状によると、被告は2024年11月11日午後5時55分ごろ、同市下荒田1丁目の交差点を右折する際、ブレーキとアクセルを踏み間違えて横断歩道の22歳女性と48歳女性をはね、さらに歩道に乗り上げて37歳男性と妻の32歳女性に衝突。男性を重症頭部外傷で死亡させ、他3人にもけがを負わせたとされる。