満開のコスモスに誓う永遠の愛――結婚式場がなくなった小林市で秀峰高校生が式を企画 クラファンでは目標をはるかに超える金額が…

2025/10/20 21:00
小林秀峰高生と新郎新婦の杉木啓能さんと小堀夏美さん=小林市南西方の生駒高原
小林秀峰高生と新郎新婦の杉木啓能さんと小堀夏美さん=小林市南西方の生駒高原
 結婚式場がなくなった宮崎県小林市で、市の特色を打ち出した魅力ある式を提案したいと、小林秀峰高校生が企画した「夢☆KOBA婚」が11日、同市の生駒高原であった。プロジェクトメンバーの3年生23人を含む生徒28人が、満開のコスモスが咲き誇る“式場”で、都城市の公務員、杉木啓能たかよしさん(36)と小堀夏美さん(28)の新たな人生の門出を盛り上げた。

 小林市では2年ほど前に、唯一残っていた結婚式場が廃業。プロジェクトは「若者の流出につながる」と危機感を持った昨年度の3年生が課題研究の中で構想し、本年度の3年生が引き継いだ。

 観光名所の生駒高原で花の盛りに式を開催することにし、4月から東京都在住のウエディングプランナー新矢ヒカルさんの指導で、接遇を学んできた。懸案だった資金面は、市のふるさと納税制度を活用した「ガバメントクラウドファンディング」で寄付を募ったところ、目標額180万円をはるかに超える1億3329万円が集まった。
 この日の人前式では、司会進行や新郎新婦の付き添いに加え、コスモスのフラワーシャワーなど自分たちで考案したセレモニーを織り込んだ。式を終えた2人は「一生の思い出に残る結婚式にしてもらった。生徒たちの努力と工夫に敬意を表したい」と口をそろえた。

 当日は台風23号接近の影響で延期の可能性もあった。プロジェクトリーダーを務めた森茂愛姫(あき)さんは式を終え、思わず涙。「タイミングが肝の企画だけに、花の盛りにできて本当に良かった。2人が喜んでくれている顔を見て、やって良かったと思った」と話した。

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