県立高校将来ビジョン検討委員会で意見を交わす委員ら=20日、鹿児島県庁
1学年1学級(40人)規模の県立高校が2034年度には全61校の3分の1にあたる20校となる試算を、鹿児島県教育委員会が20日、公表した。25年度は定員割れした12校が1学年1学級となっているが、県はこれまで1学年2学級以上でしか募集しておらず、学校存続が難しくなるとみられる。
県教委は、34年3月の中学卒業予定者に対し学校数を維持した場合、1学年2学級(80人)は25年度の23校から19校になると予測。全体の3分の2以上となる45校が、3学級(120人)以下の小規模校になるとした。
高校教育課によると、中学卒業予定者は26年の1万5224人に対し、34年は2636人減る見込み。同課は「適正規模として一律の基準を設けて学校を再編するのは難しい」と説明。七つある学区を維持したい考えも示した。
試算は20日、県立高の将来ビジョン検討委員会(委員長・溝口和宏鹿児島大教育学部長)の第4回会合で明らかにした。検討委では、オンラインを含め委員13人が議論。学校の配置について「過度な負担なく通える場所にあることが重要」など、公立高が教育のセーフティーネットとしての役割を果たすべきという指摘があった。
一方、生徒数減を踏まえ「統合することで学級数を確保でき、魅力ある教育につながる」「地域バランスに配慮しながら、配置の見直しや統廃合を検討していくべきだ」など再編を促す意見も出た。