講演する山口達也さん=薩摩川内市のSSプラザせんだい
旧ジャニーズ事務所所属のタレントだった山口達也さん(53)が、薩摩川内市で講演した。不祥事で芸能界を離れた過去やアルコール依存症であることを率直に語り、一生酒を飲まないと決意して活動する現在の思いを伝えた。
山口さんは2018年に事務所を退所し、その後バイクで飲酒運転事故を起こした。アルコール依存症の専門病院や自助グループに通い、現在は酒を断って全国で依存症予防などの講演活動をしている。今回は同市の稲盛工業が30周年記念で12日に招き、約800人が聴講した。
山口さんは若い頃、「酒が強い」を褒め言葉だと感じ、人生にとって不可欠だと思っていたという。35~40歳のころは仕事と比例して酒の量も増え、背景として「不安」や「うらやみ」があったと振り返った。退所後の孤独だった時代にも触れ、「過去と他人は受け入れるしかないが、未来と自分は変えられる。人生自体をあきらめないで」と呼びかけた。
講演では、母方の祖父母が鹿児島出身であることや、過去にテレビ番組で甑島を訪れた思い出なども紹介。質疑応答では、自身も依存症だという来場者からの質問に丁寧に回答した。