念頭にあるのは中国…防衛省がミサイル訓練を公開――奄美で自衛隊統合演習、敵基地攻撃を視野

2025/10/24 06:57
公開された88式地対艦誘導弾の発射機=23日、奄美市笠利の旧奄美空港
公開された88式地対艦誘導弾の発射機=23日、奄美市笠利の旧奄美空港
 防衛省統合幕僚監部は23日、侵攻してきた艦艇をミサイルで撃つ「対艦戦闘訓練」の一部を鹿児島県の奄美市と大和村で報道公開した。海洋進出を強める中国を念頭に、南西地域の防衛力強化をアピールする狙い。近く保有する反撃能力(敵基地攻撃能力)を見据え、部隊が展開する流れを確認した。

 訓練は、20日から全国で始まった、陸海空3自衛隊の統合演習の一環。奄美市の旧奄美空港では、第8地対艦ミサイル連隊(大分県由布市)が作戦を実施。「12式」と「88式」の発射装置を載せた車両4両が配置され、発射までの流れを公開した。隊員の号令の下、緑の色の車両がカムフラージュされたやぶから動き出し車両を固定。誘導弾を搭載する筒を上空に向けた。

 ミサイルはレーダーで目標を捉え、中継や指揮、射撃統制装置を経由し発射する。それぞれ車両に載せられ、今回の訓練では奄美大島の約10カ所に展開する。

 現在の12式ミサイルの射程は百数十キロとされるが、1000キロ程度に伸ばすよう開発している。計画では、この能力向上型を大分や熊本、沖縄に配備する。中国本土を射程に入れ、敵基地攻撃能力を持つことになる。大分のミサイル部隊トップの横田紀子陸将補は「抑止力のため重要な部隊。こういう形で民有地を使える環境に感謝したい」と話した。

 大和村の嶺山公園では、無人偵察機「スキャンイーグル2」の公開もあった。近くの無職男性(78)は「国防のためにしっかり訓練してほしいが、何をやっているのか正直良く分からない」と話した。

 霧島市の鹿児島空港では23日、前日と同様、新田原基地(宮崎県新富町)所属のF15戦闘機4機が着陸・燃料補給の訓練をした。天城町の徳之島空港では那覇基地(沖縄県那覇市)のF15.4機が連続離着陸訓練(タッチ・アンド・ゴー)を実施、T4練習機1機が離着陸訓練した。

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