環境に優しくて小回りもきくだと⁈…トヨタ車体ボディーに間伐材のスギ粉末混ぜたEV公用車「もくまる」、霧島市を快走中

2025/10/25 17:00
霧島市が導入した「もくまる」=同市国分上之段のトヨタ車体研究所
霧島市が導入した「もくまる」=同市国分上之段のトヨタ車体研究所
 鹿児島県の霧島市役所は、車体の材料に同市産のスギ間伐材を使った電気自動車「もくまる」を、公用車として使っている。環境に配慮した素材で小回りが利くとして好評だ。

 「もくまる」は、トヨタ車体(愛知県)の超小型電気自動車「COMS」のボディーに、同社が開発したスギの粉末を混ぜ込んだプラスチック「TABWD®」を使う。成長過程で二酸化炭素(CO2)を吸収した間伐材を活用し、石油プラスチックの使用を減らした素材だ。

 霧島市内に系列会社のトヨタ車体研究所がある縁で、市役所が既に導入していたCOMSのボディー部分をTABWD®に替えた。市内で伐採された杉の原木を2024年4月下旬~5月上旬に同社指定の工場に運び込んで製作。納車後、同年9月から利用している。

 1人乗りで、1回の充電で一般的な市街地なら57キロ走れる。市林務水産課の川原昭二主幹(56)は「上り坂は苦手だが、国分や隼人の平地なら細い道でも小回りが利いて、乗っていて楽しい車」と話す。

 木の風合いを感じさせる茶色の車体に「霧島市の間伐材入り環境材料」の文字や、素材の情報にアクセスできる2次元コードも記されており「走行中に注目される」。市のイベントなどで展示することもある。

 トヨタ車体によると、地元産材を使った「もくまる」は、全国で霧島市を含め3自治体が導入している。

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