水陸機動団の隊員を乗せ離陸するオスプレイ=27日午前11時半ごろ、長崎県佐世保市の相浦駐屯地
防衛省統合幕僚監部は27日、陸上自衛隊佐賀駐屯地(佐賀市)の輸送機V22オスプレイを使い、陸自相浦駐屯地(長崎県佐世保市)の水陸機動団を、離島にある民間の福江空港(長崎県五島市)へ輸送する訓練を報道公開した。20日から鹿児島など全国で始まった、陸海空3自衛隊の統合演習の一環。南西諸島防衛を念頭に両駐屯地の連携を深める狙いで、一体運用が本格化した。
午前10時半ごろ、相浦駐屯地の演習場で小銃や迫撃砲を装備した水機団の隊員十数人がオスプレイに搭乗。砂ぼこりを巻き上げながら離陸した機体は福江空港へ向かった。オスプレイは2機編隊で計4機が参加。相浦と福江空港間約100キロを約20分で飛行した。午後1時ごろまでに4往復し佐賀駐屯地の輸送航空隊と水機団との連携を深めた。
陸自オスプレイは23日にも福江空港と上五島空港(長崎県新上五島町)で飛行訓練した。
防衛省は7月に佐賀駐屯地を開設し、オスプレイを運用する部隊を、千葉県の木更津駐屯地から移駐した。離着陸に滑走路が必要ない回転翼機の特徴と固定翼機の速度を併せ持つオスプレイを使い、水機団や物資を南西諸島へ迅速に展開する狙い。
陸上総隊司令部報道幹部の大槻弘樹3等陸佐は報道陣の取材に応じ「両駐屯地の一体運用が一歩前進した」と評価した。