検察が持つ証拠はどこまで開示させるべきか…再審制度見直しで範囲巡り日弁連と裁判官の委員が応酬

2025/11/01 11:21
再審制度見直しの論点を巡る2巡目の議論がスタートした法制審議会部会=31日、法務省
再審制度見直しの論点を巡る2巡目の議論がスタートした法制審議会部会=31日、法務省
 刑事裁判の再審制度見直しを検討する法制審議会(法相の諮問機関)部会の第9回会合が31日、法務省であった。検察官が保管する証拠の開示を巡り、対象範囲などを議論。日弁連の委員が求めていた冤罪(えんざい)被害者の追加ヒアリングは実施しないとした。

 再審請求審における証拠開示のあり方など計14項目の論点の検討課題がまとまり、同日から2巡目の議論に入った。焦点となっている開示範囲は(1)再審請求理由と関連する証拠を対象(2)これに加えて一定の類型に該当する証拠も対象-の2案を軸に意見を交わした。

 法務省によると、日弁連委員は「新証拠と関連がなければ開示されないという運用になると、今より(開示が)狭くなる」と懸念。裁判官委員は「広く証拠を見直すとなれば、再審請求審が肥大化し、4番目の裁判になる」などとした。

 このほか学者委員からは、裁判所が証拠の提出・開示を検察官に命じる場合、必要性や弊害を判断するに当たって、検察官に意見聴取する手続きを入れるべきだとの意見があった。

 前回会合で日弁連委員が要請した福井中3殺害事件の関係者のヒアリングに関しては、1巡目で再審事件関係者の意見を聴取し、早期の答申を期待されていることなどを理由に見送り、書面提出を含めた代替措置を取る方針。

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