オランダ人女性人類学者がアジアの教育現場を見たくて阿久根を訪れ→自然豊かな景色に感動し、涙があふれ→今ではこども園の先生に

2025/11/03 06:30
園児に囲まれるペトラ・ヴィーリングさん=阿久根市のめぐみこども園
園児に囲まれるペトラ・ヴィーリングさん=阿久根市のめぐみこども園
 鹿児島県阿久根市波留の認定こども園めぐみこども園に今夏、オランダ人のスタッフが加わった。教育者で人類学者のペトラ・ヴィーリングさん(54)。旅の途中で立ち寄ったこの地に魅了されて長期滞在を決意。園児とふれ合いながら阿久根の暮らしを満喫している。

 ペトラさんは若い頃、環境団体に勤め、南米をはじめ世界各地を旅した。帰郷後は幼稚園で働き、家庭をもったが、子育てが一段落したのを機に、アジアの教育現場を見てみたいと一人旅を再開。香港から日本へ至り、出会った人々の勧めで2年前、阿久根へたどり着いた。

 「今ここにいることが奇跡」とペトラさん。初めて阿久根に降り立った時、自然豊かな景色に感動し、涙があふれたという。同園の輿水知子副園長(44)らと語り合ううちに意気投合し、園児たちと触れ合った。いったん帰国し、今年7月に夫のヤン・シュワード・ヤーハーさん(56)を伴って再来日した。来夏まで同園で週3日働く予定。休日は夫婦でサイクリングやドライブを楽しみ、市民と交流を重ねている。

 ドイツに生まれ、多くの言語を操るが、まだ日本語は完璧ではない。それでも園児らと過ごす中でめきめきと上達し、「子どもたちが私の先生」と笑う。「言葉や文化は違っても、日本の子どももオランダの子どもも同じ。幸せに、勇敢で自由な人間として成長してほしい」と、園児らを見守っている。

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