高市首相の日朝会談打診に拉致被害者家族が進展期待 市川健一さん「力強い言葉に勇気もらった」 増元照明さん「今年中に何らかの形を」

2025/11/04 06:00
全拉致被害者の即時一括帰国を求める集会参加者=3日、東京都千代田区
全拉致被害者の即時一括帰国を求める集会参加者=3日、東京都千代田区
 高市早苗首相が北朝鮮に金正恩総書記との会談を打診したと明らかにした3日、1978(昭和53)年に日置市の吹上浜で拉致された市川修一さん=失踪当時(23)=と増元るみ子さん=同(24)=の家族は「力強い言葉に勇気をもらった」「今年中に何らかの形を見せてほしい」と受け止めた。

 市川さんの兄健一さん(80)=鹿屋市=と増元さんの弟照明さん(70)=東京都=は、この日都内であった日本人拉致問題の「国民大集会」に出席した。

 健一さんは「私の代で何としても突破口を開き、拉致問題を解決したい」と訴えた高市氏の言葉に勇気をもらったという。集会終了後、「何とか良い方向へ進展するよう、そして全ての被害者を取り返してもらえるよう期待している」と話した。

 照明さんは、拉致被害者5人が帰国した2002年以降、23年間ほとんど進展がない状況を踏まえて「楽観視はしていない」と冷静に語る。「(高市氏の)真っすぐな突破力にはある程度期待している部分はあるが、あとは実行してもらえるか。会談の実現も含めて形を見せてほしい」と述べた。



 北朝鮮による拉致被害者の帰国を求める「国民大集会」が3日、東京都内であった。横田めぐみさん=失踪当時(13)=の弟で、家族会代表の拓也さん(57)は「一刻も早く被害者救出の手だてを講じてほしい。私たちは決して諦めない」と訴え、日本政府に日朝首脳会談の開催を要請した。

 政府が認定する拉致被害者の親で存命なのは横田さんの母早紀江さん(89)だけとなり、きょうだいも高齢化している。早紀江さんは「何でこんなに動かないんだろう。不思議な力が働いて解決に向かうことを心から願う」と述べた。

 木原稔・拉致問題担当相は「解決には国際社会との連携に加え、わが国の主体的な取り組みが重要。私が最後の拉致担当大臣になるという決意だ」と語った。

 集会は家族会や支援団体「救う会」などが主催し、約800人が参加。親世代が存命のうちに全被害者の即時一括帰国を求める決議を採択した。

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