3000人を超えるファンが集まった鹿児島レブナイズのホーム戦=10月25日、西原商会アリーナ
                
             
                 バスケットボールBリーグ2部の鹿児島レブナイズは、国内最高峰の新リーグ「Bプレミア」への2032年参入を目指している。条件の一つが5000の座席を持つ主会場の確保。鹿児島市が来年から2年かけて、西原商会アリーナをプレミア基準に合わせて改修する。改修工事の進ちょくをにらみながら、早期昇格への挑戦が続く。
 レブナイズは、Bリーグが再編される26-27シーズン、新2部にあたる「Bワン」に参戦する。参入基準となる「売上高4億円」「平均入場者数2400人以上」を23-24、24-25シーズンの2季連続で達成した。
 プレミア参入要件は今後、当初の基準から売上高9億円、入場者3000人へと緩和される。レブナイズは今季、スポンサー収入などを強化し、売り上げが前期比2億1000万円増の8億4000万円、入場者数が同500人増の3000人を目標に掲げる。
 今季はここまでに平均入場者3003人、スポンサー数も昨季を100社ほど上回る約400社となる見込み。有川久志社長は「基準達成は、絵に描いたもちではない」と手応えを語る。
 残る焦点はアリーナ基準をいつクリアできるかだ。西原商会アリーナは26年夏から28年秋まで改修に入る。ただ、天井耐震化関係の入札不調で工事はすでに2年先送りになっており、今後も順調に進むかは見通せない。
 市は天井工事の入札を26年度の早期に再度行う予定で、下鶴隆央市長は「入札不調などがないようにしたい」と話す。
 参入審査対象となるのは早くて28-29シーズンから。2季分の審査期間に加え2年の猶予が必要で、参入できるのは最短でも32-33シーズンになる。改修する2年間は3000席を確保できる会場がなくなるため、集客面、売り上げ面でも苦戦が見込まれる。
 10月下旬に同アリーナで観戦していたファン歴3年の亀澤梨奈さん(40)=鹿児島市=は「プレミア昇格のために少しでも応援したい。レブナイズを中心に鹿児島全体が盛り上がってほしい」と期待した。
 有川社長は「昇格しても勝てないチームでは意味がない。売り上げを積み上げ、プレミアでしっかり勝負できるクラブにしたい」と先を見据えた。
■キーワード解説:Bリーグ再編
 Bリーグは2026-27シーズンから、1部の「Bプレミア」、2部の「Bワン」、3部の「Bネクスト」に再編される。各クラブが長期的な事業投資をしやすくするため成績による昇降格をなくし、各カテゴリーで「売上高」「1試合平均入場者数」「アリーナ基準」の3つを軸とした参入要件を設けている。来季はプレミア26チーム、ワン25チーム、ネクスト4チームでスタート。上位カテゴリーの要件を満たせば、昇格が可能になる。