〝税金の無駄遣い〟鹿児島県は8事業者で総額1782万円 2024年度分で会計検査院が指摘

2025/11/06 11:00
 会計検査院は5日、官庁や政府出資法人を調べた2024年度の決算検査報告を高市早苗首相に提出した。検査で税金の無駄遣いを指摘したり、改善を求めたりしたのは全体で319件、総額約540億8000万円に上った。

 鹿児島県関係は、介護給付費、労災保険料、新型コロナウイルス関連の中小企業支援補助金の3事業で過大な支出や徴収不足、対象外経費などがあり、不当と指摘された。全体では8事業者、総額は1782万5000円に上った。

 介護給付費では、鹿児島市の1介護事業者が1823件計360万6000円を過大に算定して受け取っていた。国の不当負担金は99万4000円。残りは県と鹿児島市が支出していた。

 市長寿あんしん課によると、事業者が事業所規模の区分を誤り、通所リハビリテーションの利用者単価を高く算定していた。利用者は同市など県内4市の居住者らで、過大支出分はいずれも返還済み。

 労災保険料では、県内の建設業5事業主で計60万3000円の徴収不足があった。鹿児島労働局によると、いずれも元請け工事事業者の申告漏れが原因。不足額は全て徴収した。

 中小企業支援補助金関連では、2事業者の計1361万6000円が不当と指摘された。

■コロナ補助金の不当は全国3.4億円、鹿児島は1企業・1個人に計1361万円 

 新型コロナウイルス禍以降、新規事業への転換を図る中小企業を支援する事業再構築促進事業を巡り、2022~24年度、全国の20の企業・個人事業主に補助金計約3億4000万円が過大交付されていたことが会計検査院の調べで分かった。企業側が虚偽の実績報告書を提出していたり、補助対象にならない経費を含めたりしていた。鹿児島県内では1企業・1個人事業主に計1361万6000円が過大交付されていた。補助金の総額は1853万8000円だった。

 鹿児島市の飲食店経営「アプリハート」は、持ち帰りに対応する少人数専門の焼き肉店を開店するため、1000万円の補助を受けた。過去に焼き肉店運営の実績があることが分かり、新規事業には当たらないとして、全額不当となった。

 鹿屋市の個人事業主は、853万8000円の交付を受け、ダーツバーから宅配・持ち帰りのピザ販売店に転換。その後、必要な手続きをせずフィットネスジムへ業態変更したため、361万6000円分について不当と指摘した。

 促進事業は、中小企業庁から国庫補助金の交付を受けた中小企業基盤整備機構が基金を設置し、企業などに補助金を交付。対象は建物の建設や機械装置の購入に必要な経費などで、24年度末までに約6万事業主体に計約1兆3740億円が交付された。

 同機構は「補助金の返還を求める手続きを進めている」としている。

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