お笑いコンビ「オシエルズ」の矢島ノブ雄さん(左)と野村真之介さん
■かお・お笑いコンビ「オシエルズ」の矢島ノブ雄さんと野村真之介さん
“日本一学校を回る”お笑いコンビとして、2013年の結成以来通算千校以上を訪れ、「人を傷つけない笑い」を広める。23、24年に出した「はじめての漫才」(くもん出版、全2巻)では、漫才を通じたコミュニケーションや表現を紹介する。二人とも、小中学生のころあだ名で傷ついた経験が活動の原点。「自分も他者もありのままに認める大切さを伝えたい」
野村さんは鹿児島県枕崎市出身の37歳。加世田高校卒業後、東京学芸大在学中にデビューした。舞台で芸を磨きつつ英語の教員免許を取得、中・高の教壇に2年半立った。即興劇を通じた表現力研究がライフワークだ。
所属事務所社長も兼ねる矢島さんは東京都出身の38歳。コンビやピン芸人としての活動の傍ら、大学院で「いじめ」と「いじり」の違いを研究した。教育と組み合わせた対話的な笑いを思い立ち、野村さんに声をかけオシエルズを結成。その後も高校で3年間社会科を教えた。
現在もそれぞれ大学や短大、専門学校の講師を務め、教育と笑いの“二刀流”を続ける。
2人が学校を訪れると、子どもたちが周囲の目を気にする様子が気になるという。「感情を素直に出していいよというメッセージを伝え続けたい」。野村さんは「夢を語ろう」とも呼びかける。「『やりたいことがない』という子も一対一で聞くと教えてくれる。誰にもばかにされず夢を語れる環境なら、いじめも生まれないはず」。8日は伊集院中学校(鹿児島県日置市)でも公演する予定。