鹿児島県内からの緑茶輸出好調、過去最高見込み 粉末の伸び顕著 2025年、鹿児島税関支署

2025/11/07 07:00
見渡す限りの茶畑=鹿児島県南九州市知覧
見渡す限りの茶畑=鹿児島県南九州市知覧
 世界的な抹茶ブームや健康志向を受け、鹿児島県内からの緑茶輸出が好調だ。鹿児島税関支署の今年上半期の緑茶輸出数量は127トンあり、輸出額は1億5200万円。過去最高だった2021年の半期分を上回っており、同支署は「25年は過去最高になるだろう」と予測している。

 同支署によると、21年の輸出数量は227トン、輸出額3億100万円だった。いずれも県外からの輸出分は含まれない。井上健統括審査官は「鹿児島県は農林水産物の輸出に力を入れており、緑茶も重点品目の一つ。粉末の伸びが顕著で、下半期も一層の輸出増が期待できる」と話す。

 127トンの内訳は、「粉末」が20トン(輸出額7800万円)、リーフ茶などが含まれる「その他」が106トン(同7400万円)。粉末の主な輸出先は韓国(77%)、米国(13%)、フランス(6.2%)。その他は台湾(71.2%)、米国(14.4%)、カナダ(8.2%)と続いた。

 県内の5支署・出張所別で現在、緑茶輸出があるのは志布志出張所のみ。同支署は輸出先について、韓国へは志布志港から航路がある点が強みで、台湾は緑茶を飲む文化があり、リーフ茶の需要が高いとみられることを要因に挙げた。

 24年の県内からの緑茶輸出数量は220トン(同1億7200万円)あり、九州内の税関・官署別では最多。全国は8798トン(同363億8000万円)で、名古屋税関(4134トン、154億4300万円)が最も多かった。

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