網掛橋で地域の復興を願うメッセージを披露する地元高校生ら=9日、姶良市加治木
8月の記録的大雨による影響で通行止めが続いていた姶良市加治木の国道10号網掛橋が9日、3カ月ぶりに通行を再開した。応急復旧工事が完了し、代替路の東九州自動車道隼人東インターチェンジ(IC)-加治木ICの無料措置は終了した。
国土交通省鹿児島国道事務所によると、増水で川底が削られ、橋脚と橋台を支える川底の杭(くい)がそれぞれ最大3メートル露出し、復旧工事を進めていた。網掛橋は被災前、1日2万5000台の通行量があり、通行止めとなった後、周辺店舗の客減少など地域生活に大きな影響を与えていた。
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9日、8月の大雨で被災して以来、3カ月ぶりに開通した姶良市加治木の国道10号網掛橋では、雨の中、地元住民らがセレモニーを開き、「うれしい」「待ちに待った」と喜んだ。
橋の上のテントで、地元の太鼓集団「蒲生郷太鼓坊主」が力強い演奏で祝福。加治木、龍桜高校の生徒らが「加治木に活気が戻ることを心から願っています」などとメッセージを披露した。
売り上げが激減した周辺店で結成した網掛橋復興臨時通り会の川村吉一会長(62)は「やっとにぎやかになってうれしい。最初の1カ月は本当につらかったが、県民の皆さんに助けられた。今後も他の通り会などと協力し、姶良を盛り上げていきたい」と話した。
近くに住む主婦、上猶紀子さん(85)は「買い物などでよく霧島市に行くので不便だった。待ちに待った開通」と笑顔を見せた。
開通後は、通り会のメンバーや高校生らが、復興のシンボルとして沿道に立てていた黄色い旗を手に橋の上に立ち、ドライバーに手を振っていた。