なぜ人は「妖怪」を恐れないのか? 「転機は徳川家康」…「妖怪博士」の解説に興味津々 都城市

2025/11/13 11:45
「怪異」が「妖怪」へと変容した流れを語る香川雅信さん=都城市姫城町
「怪異」が「妖怪」へと変容した流れを語る香川雅信さん=都城市姫城町
 特別展「怪異の受容と南九州~歴史の中にいる妖怪・おばけたち」を開催中の都城島津邸(宮崎県都城市早鈴町)は、特別展をより楽しんでもらおうと、「妖怪博士」として知られる兵庫県立歴史博物館学芸課長の香川雅信さん(56)=日本民俗学=を招いた講演会を開いた。

 「怪異と妖怪」と題して2日、同市姫城町の市コミュニティセンターであった。聴講者約80人を前に、香川さんは古代~中世には「国家的な危機の前兆」とみられた「怪異」が、近世に入り、小さな凶兆、個別の「妖怪」へとスケールダウンする過程を、さまざまな史料を用いて解説した。

 「転機は、江戸幕府を開いた徳川家康が、怪異に公式に対応しない方針を定めたことにあった。単に怪しいというだけで人々は恐れを抱かなくなり、次第に生き物のような妖怪へと変わっていった」と述べた。

 江戸期に入っても従来同様の怪異対応をした鹿児島の島津家は「特異な存在」と指摘。「特別展でその事例が多く紹介されている。ぜひ見てほしい」と強調した。

 特別展は24日まで。17日は休館。

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