剣の道を究めたい? 私たちが鍛えてあげよう 剣道8、7、6段が鹿児島中央署に勢揃い 「正しく美しい剣道を子どもたちに」

2025/11/13 14:30
段審査証書を手にする(左から)田邊望6段、野間亮二8段、北浜勇起7段=鹿児島中央署
段審査証書を手にする(左から)田邊望6段、野間亮二8段、北浜勇起7段=鹿児島中央署
 鹿児島中央警察署から、剣道8段、7段、6段の合格者が誕生した。署によると、最高位の8段以下、上位3段の合格者が同じ署にそろうのは県警史上初めて。3人は署の「太陽少年剣道クラブ」の指導員も務め、「正しく美しい剣道を今後も子どもたちに伝えていく」と意気込んでいる。

 昇段したのは、警務課警部補の野間亮二8段(58)、吉野交番警部補の北浜勇起7段(46)、同課巡査長の田邊望6段(32)。通常業務や育児の合間を縫って週数回、朝稽古やクラブの指導に署の道場に通う。

 田邊さんは、県警女性警察官唯一の6段保有者となった。1~4歳の子ども3人の母親でもあり、4月に5年間の育児休業から復帰したばかり。「子どもたちに挑戦する背中を見せたかった」と奮起し、8月の審査で一発合格を果たした。

 同じく8月に審査を受けた北浜さんは「立ち振る舞いと姿勢、残心全ての細部までこだわれた」と振り返る。「警察官である以上鍛錬を絶やさず、8段を目指す」と力強く語る。

 2人を支えたのが、5月に一足早く昇段した野間さんだ。全日本剣道連盟によると、全国の有段者約210万人のうち、8段はわずか862人。2025年の合格率は0.9%だった。

 8月の審査前、野間さんは自身が通う日置市と姶良市の道場に2人を誘い、稽古した。「目を見張る上達ぶりで合格は確信していた」と目を細め、「剣道で培った体力、精神力を職務に生かすだけでなく、技術や礼節を少年少女に伝える。これまで得たものを社会に還元することが私たちの役割だ」と話した。

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