多くの来場者でにぎわう大阪・関西万博の会場=30日午後、大阪市此花区の夢洲
大阪・関西万博の入場券販売は開幕後、週50万枚前後のペースを維持しており、黒字確保に必要な1800万枚の達成が見え始めた。熱中症対策や羽虫の大量発生で迫られる追加費用の抑制は今後の焦点となるほか、万博開催を将来の経済成長につなげる「レガシー(遺産)」確立の重要性が増しそうだ。
入場券は前売りが低調で、割安な入場券販売が終了した昨年10月以降、週1万~2万枚にとどまることもあった。開幕後はパビリオンやイベントの評判が広まったことで、買う人が増えたとみられる。企業向けのまとめ売りに奔走した財界幹部からは「順調なスタートを切った」と安堵の声が出ている。
日本国際博覧会協会によると入場券の販売枚数は23日時点で1240万枚。現在の販売ペースを維持した場合、8月上旬には黒字化ラインの1800万枚に到達する。
黒字化は運営費1160億円を入場券販売やグッズの売り上げで賄うための目標。4月末時点で78・7%の913億円を執行した。赤字になれば国や大阪府市、経済界でどう負担するかが問題となる。