はやぶさ2と小惑星「1998KY26」の想像図(欧州南天天文台提供)
日本の探査機はやぶさ2が向かう小惑星「1998KY26」は直径11メートルと小さく、5分で1回転と高速で自転しているとの推定を、スペインなどの国際チームが18日、英科学誌ネイチャーコミュニケーションズに発表した。チリの超大型望遠鏡などの観測により、直径30メートル、10分で1回転とされていた従来想定を修正した。
はやぶさ2は2031年に到着予定。これほど小さな小惑星の現場観測は史上初となる。宇宙航空研究開発機構(JAXA)は着地にも挑戦したいと意気込むが、チームは小惑星が想定以上に小さいとなれば「興味深い機会だが、難度も高くなるだろう」と指摘した。
小惑星は1998年に見つかり、サイズなどは当時の推定が使われてきた。今回、2024年に地球に近づいた機会を利用して観測し、過去のデータと合わせて解析した。表面は明るい色で、小さな石が寄り集まった天体とみられるが、岩の塊の可能性も残るという。
はやぶさ2は20年に小惑星リュウグウの砂を地球に届け、当初の目的を達成した。