防衛力の抜本的強化に関する有識者会議であいさつする座長の榊原定征元経団連会長=19日、防衛省(代表撮影)
防衛省が設置した防衛力の抜本的強化に関する有識者会議(座長・榊原定征元経団連会長)は19日、報告書を取りまとめ、中谷元・防衛相に提出する。報告書は、2023~27年度の防衛費総額を計約43兆円とする防衛力整備計画について、国際情勢や戦い方に応じた柔軟な見直しを提言し、前倒し改定の必要性を示唆。非戦闘目的の「5類型」に該当する防衛装備品のみ輸出を認めてきた現行ルールの緩和も要請する。
有識者会議は昨年2月に設置され、定期的に会合を開催してきた。装備品輸出を巡っては、日本製の武器が紛争で使用される懸念も指摘される。さらなる制限緩和の是非について丁寧な議論が求められそうだ。
報告書は、防衛力整備計画の対象期間や見直しサイクルの在り方について「より柔軟にするなどの工夫も検討すべきだ」と強調する。
27年度に防衛費を関連経費と合わせて国内総生産(GDP)比2%とする政府目標を「国家意思を示すものとして重要」と評価。「さらなる防衛力の強化のために必要な対応」を説明すべきだとして、増額に向けた議論を求める。